「星を継ぐもの」一部ネタバレあり
J.Pホーガン「星を継ぐもの」を完読した。
月面で発見された宇宙飛行士の死体が調査の結果50,000年前のものであることがわかり、そこからめくるめく宇宙の謎に迫っていくという、言わずと知れたハードSFの名作だ。
インターネットの概念がなかったり、モニターという表現がないところがこの作品が発表された1980年という時代性を感じさせるが、謎に対する論理的なアプローチは、コンピュータ会社のセールスマンだったというホーガンが技術や科学が好きでしょうがないのであろう。
派手な演出やアクションなどはほとんどなく、全編にわたって描かれるのは会議と研究の場面ばかりなのだが、発見された遺物のひとつひとつを丹念な描写と推論をもって積み重ねていき、少しずつ謎に迫っていく過程は、逆にこの上ない緊迫したサスペンス効果を生み出している。
「星を継ぐもの」というタイトルの意味は最後の方になってようやくわかってくる。そしてこう締めくくられる。
「諸君、恒星宇宙はわれわれが祖先から受け継ぐべき遺産なのだ。ならば、行って我々の正当な遺産を要求しようではないか。
われわれの伝統には、敗北の概念はない。今日は恒星を、明日は銀河系外星雲を。宇宙のいかなる力も、われわれを止めることができないのだ。」
コリエルのその後が知りたいよーと思っていたらこの作品は三部作と言うことで早速購入。
相当ぶっ飛んだ展開に繋がる予感で、この先が楽しみでならない。じっくり読んでいこうと思う。
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